ステッピングモーターの定格電流とは、各相巻線が静止(ロックローター)状態で安全に流すことのできる最大連続電流を指します。つまり、モーターが安全な温度限界を超えずに連続運転できる最大相電流のことです。巻線のコイル仕様を変更することでモーターの定格電流が変わり、STEPPERONLINEではそのようなカスタマイズサービスを提供しています。
ただし、定格電流のカスタマイズは単に一つの仕様を調整するだけの問題ではありません。モーターの複数の主要な性能特性、特に速度-トルク特性に連鎖的な影響を及ぼします。以下に、低速トルクと高速トルクについて簡単に説明します。
- 低速トルク: 低速領域では、トルクは主に電流に比例します。定格電流が高いモーターは、一般的に保持トルクおよび低速トルクが高くなります。逆に、定格電流が低いモーターは、保持トルクおよび低速トルクが低くなるのが一般的です。
- 高速トルク: この領域が最も大きな影響を受けます。巻線のインダクタンスは電流の急激な変化に抵抗します。高電流モーター(太い線を少ない巻数で巻いたもの)はインダクタンスが低く、電流がより速く立ち上がります。
その結果、高速運転時(各ステップのパルス幅が短くなる場合)、低インダクタンス・高電流モーターのコイル電流は、利用可能な通電ウィンドウ内でより速く定格値に到達できます。これにより、高速でのトルク低下が少なくなり、全体的な高速性能が向上します。逆に、低電流タイプ(細い線を多い巻数で巻いたもの)はインダクタンスが高く、高速では電流の立ち上がりが遅くなるため、トルクが急激に低下します。
重要な注意事項: 定格電流を上げると、電力損失(I²R損失)も増加し、モーターの動作温度が上昇します。高電流モーターには、より大きな電流容量を持つドライバーが必要になる場合があり、低速での共振がより顕著になることもあります。カスタマイズしたモーターがお客様のアプリケーション要件およびドライバーの能力に適合していることを確認するため、当社のエンジニアリングチームにご相談ください。