ステッピングモータードライバは1台のモーター専用とすべき理由

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Daniel Zhang

最終更新日 Jul 12, 2026

ステッピングモーターとステッピングモータードライバを選定する際、一般的には各ドライバを1台のステッピングモーターにのみ対応させることをお勧めしています。しかし実際のアプリケーションでは、複数のモーターを同期動作させる必要が生じる場合があり、1台のドライバで複数台のステッピングモーターを駆動することを検討される方もいらっしゃいます。この方法は推奨いたしません。

理論上は、1台のドライバで複数台のステッピングモーターを駆動することは可能です。使用方法に応じて、時分割運転と同期運転の2つのケースに分けられます。

時分割運転:

複数台のステッピングモーターが1台のステッピングモータードライバを共有し、時分割方式で運転します。ステッピングモータードライバおよび電源の電流・電力定格は、1台のステッピングモーターの要件に基づいて選定できます。2台のステッピングモーターの各動作はリレーにより切り替えられます。この構成では、ドライバは一度に1台のモーターのみを駆動し、リレーを介してモーター間を切り替えます。

ただし、この方法には主に2つの欠点があります:

  1. 精度の低下:リレー切り替え時にモーターの励磁が失われ、ローターの位置がずれる可能性があります。繰り返しの切り替えにより、位置決め誤差が累積するおそれがあります。また、切り替え後にモーターが再励磁状態に入りますが、システム内での基準位置を失っている可能性があります。クローズドループドライバを使用している場合、これにより故障アラーム(過電流や位置誤差など)が発生することもあります。
  2. 破損のリスク:リレーの故障や制御プログラムのエラーが発生した場合、負荷がドライバの最大定格電力を超える可能性があり、ステッピングモータードライバと電源の両方が損傷するおそれがあります。

同期運転:

複数台のステッピングモーターが1台のドライバを共有して同期運転する場合、ステッピングモータードライバの最大出力電流は、接続されるすべてのステッピングモーターの定格電流の合計以上である必要があります。さらに、ステッピングモーターの同期始動・停止時に発生する逆起電力(バックEMF)は著しく高くなるため、ドライバに追加の負荷がかかり、この運転条件下ではドライバの耐用年数が短くなる可能性があります。

以上より、モーターの最適な性能を確保し、ドライバを保護するため、1台のドライバで複数台のステッピングモーターを駆動することは推奨いたしません。

アプリケーション上で複数台のモーターを同期動作させる必要がある場合は、以下の解決策をご検討ください:

  1. 同一パラメータに設定した複数台のドライバを構成し、コントローラから各ドライバへ同一のパルス、方向、イネーブル信号を送信することで、すべてのモーターを同一かつ同時に動作させます。
  2. 2台のモーターのみを同期動作させる必要がある場合は、DMAIシリーズのステッピングモータードライバをご検討ください:DM456AI および DM480AI。これらのドライバは2台のモーターを同期させるために専用設計されており、両モーターが同一の動作プロファイルに従って動作します。