ステッピングモーターのエンコーダーによくある故障と検査方法

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Daniel Zhang

最終更新日 Jul 12, 2026

クローズドループステッピングモーターの運転中にエンコーダーが損傷すると、ドライバーから位置偏差アラームが出力されます。本記事では、エンコーダー損傷の一般的な原因と、エンコーダーの検査方法について説明します。

エンコーダー損傷の一般的な原因

  1. エンコーダー入力電圧・電流の変動

当社の標準エンコーダーが対応する信号電圧範囲は5 V ± 0.5 Vです。エンコーダーに印加される電圧が最大定格電圧を超えると、エンコーダーが損傷するおそれがあります。

  1. ドライバーからの信号電圧出力が不安定

通常、ドライバー内部の部品が出力信号電圧を調整し、変動を抑制しています。しかし、これらの部品が損傷すると、ドライバーの出力信号電圧が不安定になることがあります。出力電圧がエンコーダーの定格範囲を超えると、エンコーダーのESD保護ダイオードが損傷するおそれがあります。

  1. エンコーダーケーブルまたはコネクタの異常

考えられる問題としては、コネクタ部での断線、嵌合コネクタ間の接触不良、コネクタとPCB間のはんだ付け不良(冷半田)、または局所的な短絡などが挙げられます。これらのいずれの状態でも、エンコーダーが正常に機能しなくなるおそれがあります。

  1. 環境要因によるエンコーダーの損傷

静電気が存在する環境でモーターを使用すると、静電気放電(ESD)によりエンコーダーが損傷するおそれがあります。

  1. エンコーダーのはんだ接合部の劣化

すべてのモーターは出荷前に工場検査を受けており、エンコーダーの欠陥が発生する可能性は最小限に抑えられています。ただし、運転中に周囲温度が高い状態に長時間さらされると、エンコーダー部品のはんだ接合部が劣化したり、冷半田が生じたりして、エンコーダーの故障につながるおそれがあります。

検査方法

  1. エンコーダーセンサーが接続されているか確認する

図に示すようにエンコーダーのピンを測定し、A相信号とB相信号をそれぞれテストします。

  1. ESD保護ダイオードが焼損していないか確認する

ダイオードに焼損の痕跡がないか目視で点検します。または、マルチメーターを使用してダイオードの抵抗値を測定します。まず、図に示す位置にマルチメーターのテストプローブを接続して抵抗値を記録し、次にプローブの位置を入れ替えて再度測定します。一方の測定値が低抵抗を示し、もう一方が高抵抗(またはオープン)を示す場合、ダイオードは正常です。両方の測定値が0 Ωに近い場合、ダイオードは短絡しており損傷しています。両方の測定値がオープン(無限大の抵抗)を示す場合、ダイオードはオープンしており損傷しています。

  1. 差動ラインドライバーICの焼損を検査する

下図に示されているICは、エンコーダーボード上の差動ラインドライバーICです。

  1. コネクタピンとケーブル間の導通を測定する

ケーブルの断線やピン部での冷半田も、エンコーダーの故障として現れることがあります。マルチメーターを使用して、PCBコネクタのピンとケーブル間の導通を確認してください。